8/9放送NHKBS1ドキュメンタリーWAVE「軍政はなにをもたらすのか~タイ農村改革

コメの買い取り制度 
インラック政権は高くコメを買い取っている。

軍事クーデターによって倒されたインラック政権の票田が
農村にあったというぐらいしか知らない状態で見ました。

まず、番組冒頭の、
種を直接地面にまくだけで収穫が得られるという
農村でのコメの作り方に改めて驚きました。

温暖な気候というのは農業にとって
大変恵まれているのだなと、世界最大のコメ輸出国であるという理由がわかりました。

番組全体としては、
軍部は軍部で、旧政権側も彼らなりに、
現在のタイ国を維持しようともがいているように見えました。

特に農村の人々の声を中心に取り上げていたこともあってか、
都市部と農村部の溝の深さと、
都市部の人間に対する農民の不信感に満ちていた。

その深い溝を軍部が埋めてくれるのではないかという期待感も感じられた。

メディアに対して厳しく言論統制が行われている、
とのことだが、
カメラに口をつぐむといった様子も見られないので、
王政や軍部に対する批判をしなければ比較的議論は自由なのかと思いました。

タイの混乱の発端を番組では、
国際市場におけるコメ価格に置いていました。

隣国のベトナムのコメ増産によって、
タイのコメ価格は割高になってしまう。

そうするとコメ価格を引き下げないといけない。

引き下げれば農村の暮らしが厳しくなる。

タイは世界旧政権側最大のコメ輸出国であるので、
苦しい状況の農民に対する補助をおこたれば、
絶対にどのような政権であろうともそれを維持することはできない。

しかし、国際価格に対して、
トンあたり50%も上乗せして政府が買い取るというやり方は無理があるし、
その釣り上げた買い取り価格のせいで
国民全体の首がじわじわと締め上げられてしまう。

番組後半では、
軍の幹部が農村に行き、
旧政権のコメバブルは終わったのだ、と
意識改革を促していた。

軍服を着た兵士が農民に楽しんでもらおうと
歌や演奏を披露しているのが興味深かった。

東南アジアにおける、
歌の持つ力の大きさを感じました。